赤土等流出対策情報

赤土流出問題

沖縄県では、雨が降ると赤土が大量に流れ出し、河川・海域を赤く染め、さんご礁に悪影響を与える重要な環境問題が取り上げられる。こうした赤土流出問題は、沖縄県のパインブームによる畑の製造が始り、昭和20年代後半頃から目立ってきた。またさらに昭和47年の本土復帰以降は、沖縄の土壌や地形的な特性を考えずに、本土の開発方法で行われた大規模な開発工事によって、雨が降る度に、大量の赤土等が海に流出した。そして、米軍の実弾砲撃演習等により、緑地の表土がむき出しになったところも流出源の一つになっている。

赤土流出要因
赤土流出は降雨に伴う土壌の浸食により起こります。沖縄県には、赤土流出がしやすい以下のような自然的要因がある。
  • 豪雨による集中的な雨が多く,雨粒が大きいといった気候要因
  • 土壌が細粒子であるため粘着性が弱く、浸食されやすいといった土壌要因
  • 島嶼地域で急峻な地形が多く、河川も短いという地形的要因
このような自然的要因に、営農活動や開発工事、米軍の演習等の人為的要因が加わることで表土がむき出しになり、赤土流出が起こるという仕組みになる。

赤土流出対策

1997年10月に『沖縄県赤土等流出防止条例』が施行され,施行前と施行後では,県全体の年間赤土流出量は低下しているとの報告がなされてる。

赤土等の流出防止は、次の3つの対策が基本となっている。
  1. 発生源対策(濁水の発生の抑制)
    濁水の発生源となる裸地の出現面積を少なくしたり、出現期間を短縮する。具体的には裸地面をシートやススキで覆ったり、草や木を植えたりして早期保護をおこなう。
  2. 流出濁水対策(表流水のコントロール)
    濁水が傾斜面を流れながら、流出濁水の勢いを抑えて侵食を防いだり、工事区域外の雨水が濁水に混入しないように分離する。
  3. 最終処理対策(濁水の処理)
    濁水を一時貯留し、沈殿、ろ過等により濁りの濃度を低くした後、排出規準値以下で排水する。

〈 参考文献 〉